自分自身はモブプログラミングの経験がないので、どういうものかを知りたくて読みました。

リソース効率とフロー効率

この本を読んでまず一番最初になるほどと思ったのが、モブプログラミングはリソース効率を上げるのではなくフロー効率を上げるための開発手法であるという点でした。モブプログラミングのメリットとして、チーム内の知識共有以外の視点を持っていなかったので、これは新鮮でした。

モブプログラミングの考え方は、本質的にフロー重視であり、機能を安く作るのではなく、早く完成させることを目標としている。言い換えれば、リソース効率ではなくフロー効率をあげようという考え方だ。

この本では、モブプログラミングを始めるときの最初の障壁としてマネジャーから効率が悪いんじゃないかと言われる、というものが紹介されていました。確かに、モブプログラミングって一見すると大人数で 1 つの機能を作るので効率悪そうに見えるというのはとてもわかります。ただ、この物の見方の背景には、リソース効率を重視する考え方、つまり各開発者の稼働率を最大化させることがプロジェクトにとって良いことだ、という考えがあるということに気付かされました。それに対してフロー効率とは今取り掛かっている機能をいかに早くユーザーに届けるか、という考え方です。

アジャイル、DevOps、カンバン、CI/CD といったもののゴールの一つはリードタイムの短縮だと僕は理解しています。そして、モブプログラミングというのもまたリードタイムの短縮を実現するための手法なのだということに気づけたのは収穫でした。

複数人で開発することで、一度に並行して行える開発の数は制限されるけども、それはフロー効率の観点ではむしろ良いことであるということですね。

性格特徴のビッグファイブモデル

モブプログラミングを行う際に、チーム内のメンバー同士の関係性というのが非常に重要なので、チームメンバー全員で性格診断テストを行って、その結果を持ち寄ってチームの中にどういうメンバーがいて、どういうやり方で仕事をするのが効果的かを理解するセッションを行うという話も興味深かったです。

ビッグファイブモデルというモデルに従ったテストがおすすめとのこと。

こういうのはモブプログラミングに限らず他の仕事でも重要になってくる所だと思いますが、モブプログラミングの導入のタイミングはこういったセッションをやるのにちょうど良さそうです。

全体の感想

この本はモブプログラミングの初心者、初中級者向けにまずモブプログラミングはどういうメリットがあって、どういうプロセスでチームに根付かせるかについて書かれている本です。その意味で、私もモブプログラミング初心者なので非常に得るものが多かったです。

また、最後の及部さんの解説の中で、及部さんのチームは開発者以外の営業資料作成やカスタマー対応もモブ「ワーク」しているというのは面白かったです。

あと、この本の中で参照されている他の書籍も気になるものが幾つかあったので、それらも今後読みたい本のキューに積みました。欲を言えば、参考文献一覧で日本語訳のある書籍に関してはその情報も記載してあると嬉しかったです。